バロック・文芸データ

人物紹介

イライザ IRAIZA(2、15階)
〈「綺麗な水」を求める、ロングへアの少女。あまり多くのことを語ろうとはしない。浮遊少女のひとり。〉
イライザはゲームの進行におけるキイ・パーソンの一人なので、多くを語らないわけだが、自分の役目を果たしたあとはよくしゃべるようになり、大変に理知的であることがわかる。神の人格の内の理性的な面を担っているのであろう。近寄りがたい雰囲気とは異なって、クリア後にも触れることができる。アリスとは対照的だ。

アリス ALICE(4、14、28階)
〈反抗的なそぶりを見せる、ショートカットの少女。主人公の過去について、責めるような言葉を投げかけてくる。浮遊少女のひとり。〉
「反抗的」という言葉は対主人公の関係においてまったくそぐわない。アリスの最初のせりふは「君はぼくの心をかき乱した云々」で、恋愛関係にあったのにそれを忘れてしまうとは……と不実をなじっているにすぎない。むしろ素直でストレートな性格。神の人格の感情的な部分を担っていると思われる、キュートで魅力的な少女だが、ゲームの進行には関わらず、クリア後には触れることのできない存在となる。この微妙な距離感。

上級天使 ADVANCED ANGEL(映像=外界、実体=最終階層1つ前)
〈大きな翼と赤い瞳を持つ、マルクト教団の指導者。主人公に天使銃を渡し、神経塔へと向かわせるが、その真意は定かではない。〉
その実体は眼鏡を掛けたシス・コンの科学者……。堕天使ルシフェルのような位置にあるわけだが、ゲーム的制限のせいか今一つぱっとしないキャラである。クリア後のせりふは特に冴えない。しかしノヴェライズするとしたらこれが主人公だろう。

コリエル KORIEL(8、11、13、14階)
上級天使のやり方に不審を抱き、叛旗を翻したマルクト教団員。ダァバール計画を立て、主人公に神との融合を命じたが、結果的に大熱波が起きて世界は崩壊した。コリエル・メンバーのうち、主人公を除く11人は幽閉棺に閉じ込められており、主人公による浄化を待っている。結晶の声と彼らのせりふをつなぎ合わせると、コリエルたちはなかなか興味深いキャラクターと言える。

天導天使 DOCTOR ANGELICUS(12階)
〈マルクト教団において、「天使的博士」とも呼ばれていた偽装天使。上級天使を支える立場にあった。〉
ゲーム進行のキイ・パーソンの一人だが、【罪の告白】ではまったくの愚か者に見える。通常のせりふも、今一つ冴えず、魅力に欠ける。

作業天使・少年 WORKER ANGEL NEOPHYTE(20、15、11、8、6、2階)
〈マルクト教団の造反者を探して、神経塔をさまよっている偽装天使。上級天使に絶対的な信頼を寄せている。〉
エンドクレジットには「新参者」とあり、若いからそう言われるのか、比較的最近参入したのかはわからないが、まあそういう位置づけのマルクト教団員である。階を徐々に昇ってくるが、その間に記憶を失い、自分を失っていく、という設定となっている。今後の彼の行方が気にならないでもない。ゲーム進行には、ヒントという側面でも関わりがなく、シーンとバロックリストにのみ関係する。階の間を移動するのは、アリスとイライザ以外ではこの少年だけ。

ウリムとトンミム URIM &THUMMIM(3階)
〈ふたりで一つの体を共有している偽装天使。身体のトンミムと左肩のウリム。仲はいいようだ。〉
作業天使。ゲームの進行に連れて、為すべきことを示唆してくれるありがたい存在。

心読みの者 MIND READER(7階)
〈他者の心の奥底を見ることができる者。だが、主人公の心を見ることには拒否感を示す。〉
7階でマントを羽織って坐っている。もともとは役者だったらしい……。多数の具体的なヒントをくれる。しかし一度に1つのことしか言わず、出現しないこともしばしばで、収集に苦労する。

警備天使 SENTRY ANGEL(外界)
〈外界にある施設を警備している。決して主人公を中に入れようとはしない。〉
心読みの者は、単細胞の警備天使のことをバカにしているような口ぶりだが、一面純粋なのだとも言える。「私の偽翼は小さくて……」ほか、泣かせるせりふが多い。ゲームの展開に従えば手に出来ないものを渡された場合のせりふが用意されているのがなんとも……。特にリトルの結晶のせりふなど、メタ的なものか?などと疑ってしまう。

カンオケ男 COFFIN MAN(外界)
〈外界でトレーニングダンジョンを作っている人物。主人公にトレーニングを勧めてくる。〉
「××しやがる」をていねいに言い、尾を「デス(死)」とまとめる独特の言葉づかいが素敵。首の者とのやりとりが読みどころの1つ。

箱の者 BOXBEARER(7階)
箱を持って立っている。箱を渡すと、箱をくれる。袋の者の父親だが、最低な男である。しかしこれが人間の標準か、という気もする。イデアセフィロスの内容もその感を強める。

首の者 LONGNECK(外界)
序盤のゲーム進行のキイ・パーソン。長く伸びた首と太った身体が特徴で、その意味をバロック屋が解いてくれる。典型的な小物キャラ。やはり一般的な人間像であろう。

角女 HORNED GIRL(外界)
頭に生えているのは鹿の角か? 自分の言葉を持たず、他者の考えを読み取ってそれを口に出すだけの少女。物言わぬ主人公の代弁者。最後にようやく自分の言葉で話そうとするようになる。

袋の者 BAGGED ONE(外界)
様々な情報を内に抱えている。角女同様、自分の言葉を持たず、他者の言っていたことを繰り返すだけのうつろな存在である。自分のことを語るときにも三人称で語るほどに、自分を失っている。父親のことでは唯一自分らしい反応を見せ、父親との近親相姦を疑わせる。

研究天使 RESEARCHER ANGEL/GASMASK&BRAIN(18階、イベント)
〈マルクト教団に於いて、技術研究を行っている偽装天使。その高い技術力は、様々な分野に応用されている。〉
ガスマスクと脳髄とがいるが、前者はイベントに登場するだけ。脳髄が18階にいて、大熱波前史についての断片を語る。

呪装天使(3、5、10、16、25、27、28、35階)
〈アイテムの劣化を修復したり、合成して別のアイテムを作りだすことができる。マルクト教団の偽装天使。〉
カリグラムでしゃべるおかしな人物(?)。口には出さぬが主人公のことを気にかけているという設定。

創造維持神 DIVINE PERPETUALOR(最下層・-99999cubit)
〈世界を創造し、本来あるべき姿に維持する存在。マルクト教団によって守護されていると言われる。〉
ダァバール融合後は女性の姿となっていて、分裂人格もみな女性である。本体は、超越的な部分を担っていると思われる。

殺戮天使 EXECUTION ANGEL/FIST&SCYTH (10、19階)
〈神経塔で出会う、武装した偽装天使たち。何かを追っているようだ。〉
戦い(野蛮なこと)が専門だとバロック屋に言われる連中。10階には拳、19階には長刀がいる。拳の方はややヒント的なことも言うが、ほとんどわからないまま過ぎる。長刀の話は、既に得た情報しかなく、進行を彩る存在の1つ。

天使虫リトル LITTLE(20階、地上階に幻影・14階に声)
神の中から抽出された痛み。痛みを感じなくさせるのであれば、痛みを取り出すのではなく、痛みを感じるところをどうにかするのではないか、というような疑問は、神なのであるからして通用しない。クリア後も話を続けるため、いろいろ無理な設定になっているのだが、リトルの存在はその最たるものである。クリアしたらそれでおしまいでよかったのではないか。せりふの数々も、マルチエンディングもどきにすればいろいろと入れられたのだろうし。

物の者 COLLECTOR(外界)
〈外界に落ちている物を拾っては、頭の袋に溜めこんでいる。アイテム収集以外には興味がないようだ。〉
自分のことばかり話す奴。自分の歌まで作ってしまう(笑)。単なる物の預かり手にすぎないのだから、実際にはしゃべる必要もないのだが。殴られる内にマゾヒストへ成長していく様が描かれている。

バロック屋 BAROQUEMONGER(外界)
〈外界の片隅に佇む男。イデアセフィロスに残された情報を読み取ることができる存在。数多くのバロックを抱えている。〉
この人の設定はいまいちよくわからなかった。

中級天使(最下層の1つ前)
〈神経塔の聖域を守る者。上級天使の指示に忠実に従っている。〉
ほとんど異形。

幻影(1階)
兄と弟のバージョンがある。弟が可愛く描かれているのは言うまでもない。双子なのにこんなに精神年齢が違ってよいものか、という疑問は脇にのけよう。つまるところ、兄弟萌えを狙ったキャラなのである(?!)。主人公は元来、兄に犠牲になってもらった弟なので、ちょっと弱い精神の持ち主だということがわかる。依存的であるがゆえに、神なくしては生きられなくなってしまう。世界より君が大事、と言うとき、世界より自分が大事なのである。しかし、上級天使も、その動機は自分の思うような世界を作ることなのだから似たり寄ったりだ。
 もしも、世界を再創造する力が与えられたとしたら? すべての人が抱く理想はまちまちであるがゆえに、自分本位に作り替えるしか手はない。これはすぐれてキリスト教的な、あるいは地中海的な発想である。ブッディズムでは、あるがままであるほかない、と考えそれを肯定するから、世界を変えようとはしない。主人公が自覚的に世界をこのまま肯定して受け止めるということは、結果的に神の痛み、すなわち世界の痛みを共有して苦しみ続けるということになろう。外界で異形を狩っている場合ではなくなるのは間違いのないところだ。

おまけ

呪葬天使のアイテム合成

*ランダムだが、多少の法則性がある。
首の者の結晶→心臓の種/コリエルの結晶→革命の液/袋の者の結晶→吸収刑具
リトルの結晶→天使銃/角女の結晶→判明骨/箱の者の結晶→不定の箱
*自分の結晶は何にもならずもほかのアイテムと同列に扱われる。 金の骨→玩具の箱/銀の骨3つ→玩具の箱[銀の骨はほかのものとは合成せず、3つ溜まるまで待ってくれる]
焼け心臓2つ→心臓/焼肉2つ→肉/心臓→焼け心臓/肉→焼肉
30以上に強化した装備品→そのまま返す
古い剣と任意のアイテム→剣/古いコートと任意のアイテム→コート
氷・炎・雷属性の寄生虫と剣→属性のある剣/氷・炎・雷属性の寄生虫とコート→属性のあるコート
からの箱と文様→文様の箱/からの箱と剣もしくはコート→無防備の箱/からの箱と箱→箱の箱
回復の液Aと回復の液D→回復の液AD

タロットカード

シーンを全部開くと見られる。もともとのタロットカードはPS版の特典だったらしい。あれだけ苦労して開けて、こんなもんかよ?!というようなしろものである。せめてモンコレ程度に美しく作ってもよかったのではないか。以下画像。テレビ画面の写真撮影で、その他の違法的手段は取ってない(笑)ので、きれいではないが、参考までにというところ。その他の特典画像も情けなくて涙が出る。アニメーションはすごくきれいなのになあ。

愚者=主人公/魔術師=研究天使 タロットカード1 
女教皇=アリス/女帝=イライザ タロットカード2 
皇帝=カンオケ男/祭司=物の者 タロットカード3 
恋人=ウリムとトンミム/戦車=呪葬天使 タロットカード4 
力=警備天使/隠者=バロック屋 タロットカード5 
運命の輪=首の者/正義=作業天使(少年) タロットカード6 
刑死者=コリエル/死神=殺戮天使 タロットカード7 
節制=心読みの者/悪魔=天使虫リトル タロットカード8 
塔=袋の者/星=角女 タロットカード9 
月=天導天使/太陽=箱の者 タロットカード10 
審判=中級天使/世界=上級天使 タロットカード11